2017-06

アルのある秋

この10月で、2代目柴のアルが逝って16年になります。1992年はまだバブルもはじけず、帰宅するのは、連日夜中の1、2時、平日の平均睡眠時間は4時間くらいだったと思います。アルに会うのは早朝と深夜、下手をすると土曜日も出勤だったため日曜の散歩くらいでした。

アルも丈夫だったのですが、若い頃あわや窒息死という状況に陥りました。家の前に肉屋さんがあり、肉屋の奥さんがアルのために豚の骨を差し入れてくれていました。我が家では骨を煮て、アルにしゃぶらせていました。


野生の呼び声


ところがある日、アルは骨の一部を齧りとり、飲み込もうとして喉に詰まらせてしまったのです。私は不在でしたが、家族はすぐ獣医さんを呼び、ようやく骨を取り出すことができました。もう少し遅かったら命はなかったそうです。それ以来、我が家ではワンコに飲み込むと危なそうなものは一切与えないことにしました。アルが6か月くらいのとき、ヒキガエルを咥えてしまったのもこの写真の場所です。

最初外犬だったアルですが、常に家族と一緒にいたがりました。アルの小屋はリビングの直ぐ外にあり、小屋はサークルで囲まれていました。リビングには地上1メートルくらいの所に窓があります。子供のころはしたについている通風口を前足で引っかいて中に入れてくれと訴えていたのですが、1歳になるころ、窓枠に飛び乗れるようになりました。窓枠に乗れれば、そのままリビングにある例の黒いソファーで寛ぐこともできます。このようにしてアルは昼間はソファーのうえで過ごすことになりました。窓枠に乗り、庭を監視するのが大好きでした。鎖は外で繋がっています。


窓からの監視


アルは好奇心が強く、歩道橋に上がれば、必ず下を見て車や人の流れを眺めていました。土手からは川原や遠くの山をじっと見つづけていました。高い所と雪が特に好きで、階段を昇るときには、わざと後ろ足で音をたてながら、嬉しそうに飼主の顔をみあげたり、まだ誰も足を踏み入れていない雪原を見ると、楽しいですねという表情を浮かべ、飼主に同意を求めたりしていました。

今から30年前は、小型犬を除き、ワンコは屋外で飼うのが普通でした。アルは時代を先取りしていたのかもしれません。5歳になるまでには夜も家の中で過ごすことになりました。

次の写真は、11歳くらいのときのものです。元外犬だったせいもあり、窓枠に座って、ソファーに手をついています。ソファーのほうが少し低いのですが、このような格好も苦ではなかったようです。リードがついていますので、散歩から帰ってきたところでしょう。この日は遊び足らなかったようですね。真っ黒だった鼻先もすっかり白くなっています。


散歩の準備


アルは何事も善意に明るく解釈するワンコだったのだと思います。晩年には関節も痛めたのですが、明るさを失いませんでした。最後まで楽天的に振舞っていました。歳をとるにつれ、口をもぐもぐさせしゃべっているような声を出すようになりました。なんで私だけご飯が食べられないのとか言いたかったのだと思います。


最後の夏


この写真は1992年6月、15歳のときのものです。この頃は歩道橋を昇ることも窓枠に座ることも難しくなっていました。家族も夏は越せないものとあきらめていました。今写真をみると案外幸せそうな表情にみえます。子犬時代と少なくとも同じくらい可愛くみえます。先ほどレイが同じ場所で同じ格好をしていました。

アルは体の強さと楽天的な性格のためか夏を乗りきることができました。しかし腹部に痛みを感じるようになり、10月に入ると苦しみだし、歩くこともできなくなりました。最後は、意識が無いようだったのですが、私が帰ると上半身だけ起こし挨拶をしながら、喜ぶと同時に、(自分の体が動かなくって)おかしいなあという寂しそうな表情を浮かべました。その翌日アルは逝きました。

どうしても家の中で人と一緒に暮らしたかったアルが夏を越せたのは、その明るさとすこしでもソファーの上で皆といたいという気持ちだったような気がします。この頃はまだペットロスという言葉もほとんど聞きませんでした。アルがいなくなったのを忘れるため、仕事にうちこんだのですが、逆に休日が辛い日々が続きました。バブルがはじけ、今考えるとあの時代はなんだったのかと思わないこともありません。でもそんなことを考えると何事も前向きだったアルに笑われそうですね。秋、日本晴れの空をみると今でも時々アルのことを思い出します。






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コメント

アルちゃんのお鼻は後年白くなったんですね。やっぱりあのソファーの上で
幸せそうなお顔で寝てますよ。よっぽど大好きな場所だったんでしょうね。
犬も人間も幸せに年をとるのはなかなか難しいと思います。幸せですね、アルちゃん。
つい最近、とんでもないことをしたようです。いつもどおりに散歩に出かけたのですが夜遅くになってしまい、薄暗い公園で誰ももういないだろうと勝手に思ってしまっていました。ポーといつもどおり大はしゃぎして遊んでいたのですが、ふと人影に気付き、その方をよく見てみると年老いた犬を連れているようでした。あわてて「すみません」と謝ったのですが。
歩くのが精一杯のようでした。飼い主さんがとても優しく介助しながらゆっくり、ゆっくりと。
とても心温まる光景で、そしてとてもせつなくなる現実でした。わたしは知らなかったとはいえその場ではしゃいでしまいました。空気を読めなかった自分が恥ずかしいです。調子の悪かったはなこの時を思い出すといたたまれません。私のうかつな行為でどうか傷ついていないことを祈るばかりです。

アヒル母さん
その老犬を連れていた人がワンコを愛している人なら大丈夫ですよ。その人も老犬の子犬時代おなじような経験をしているのではないかと思います。老犬との散歩、確かに切ないのですが、楽しく幸福なひとときでもあります。老犬は飼主のことを理解しているのでしょうね。散歩に連れていくというより、一緒に散歩に行くという感じです。その人も昔を思い出していたのではないでしょうか? 一言謝ったのでしたら全く問題ないと思います。
話は変りますが、私のリンクの2番目に「るーの日記」というブログがあります。9月29日の記事にシェルティーのライダー犬が出ています。ワンコ用ゴーグルってあるんですね。

アルルスさん、こんにちは。
アルちゃんの姿、そして生きてきた道(生活の様子)を読んで、
昔飼っていた柴犬を思い出しました。
私が初めて飼った柴犬で、トムといって、今のるーに比べると、
すごく大人しい犬でした。外犬でしたが、家によく入っていました。
昔の愛犬を思い出すことって、とてもいいですね。
犬との生活の大切さを教えてくれたこと、
いろんなことを含めて、宝物です。
15歳のアルちゃんを見ると、ちょっと胸が痛くなりますが
でも、アルちゃんにお顔、すごく安心した感じで
幸せに見えます。

また、来ますね!

るーさま
15歳のアルは、体が小さくなって腰が浮き出てしまっていますね。それでも安心して寝きっている、おそらくワンコは歳をとったと悲観することはなくて、そのときそのときを生きているのだと思います。
るーさんがブログで書いたいたように四季折々の移り変わりもワンコといると実感できますね。この秋を楽しみましょうね。

4枚のお写真どれを見てもなんだか切なくなります。
確かに私の小さい頃はお外で飼われているワンコが多かったです。
玄関先に犬小屋が置いてあって、そこの家の子がいつも給食のパンを
半分残してあげていたのを見て「うちもワンコ飼いたいな~」って思ってました(^^)
その後念願叶って我が家にワンコが来ました。
小学生の頃から成人して家を出てもそのワンコはずっと実家で私を待っていてくれました。
今思えば、「もっと遊んであげればよかった」とか「もっと大切にしてやればよかった」
と思うことが多いです。
その後悔の分、ナナコを可愛がろうという訳ではないのですが、
自分が齢を重ねる毎に「一緒にいられる時間」をしみじみ感じます。

レイちゃんもナナコもこれから素敵な時間が沢山つくれますように…

ナナコママさま
ワンコは、たまに帰っても、なんでもっと帰ってきてくれないのかとは思わず、全身で喜んでくれますね。アルと15年過ごせて幸せだったと思います。いいワンコたちと出会いラッキーでした。
ナナコちゃんは明るく、皆に好かれるワンコで、これからの生活楽しみですね。念願のワンコ、本当にいいワンコと出会えたのだと思います。

白黒の写真って、いいですね。 
ふとした風景が、いろんな記憶を思い出させてくれて、不思議です。
アルちゃんが座っているところ、お尻はいたくないのかしら?と。
いつもは大丈夫な食べ物も、時には注意が必要ですね。 わんこは、食べたいが先で、じっくりゆっくりって感じでは食べることがないですものね。

なびこさま
もう20年くらいしたら、昭和の思い出は白黒のイメージなんてことになるかもしれませんね。かえってみえない部分に想像を刺激されるのかもしれません。アルは椅子に腰掛けているような感じでした。
アルのときにこりて、ガムはともかく蹄はやる気になりません。歯が欠けるくらいならいいですが、アルのときは家族が本当に慌てたようです。

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レイは2008年2月7日生まれの5姉妹の長女?です。
今のところ社交的、外出大好きですが、意外と慎重なところがあります。

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