2010-02

『犬の帝国―幕末ニッポンから現在まで―』を読んで

 本書は「イヌを通してみた」近代日本史です。人にとって犬は文化と自然の間に位置し、様々に論じられ、イメージされるとしています。著者によると幕末から明治にかけ、狆や猟犬を除いた日本土着の犬は各家庭に飼われていたのではなく、地域、あるいは道に住んでいる状況にありました。オオカミなど野性に近いものとして排斥される一方、在日欧米人たちは洋犬を持ち込み、時には日本人を威圧しました。大正期になり、日本においても中産階級が興隆し、ようやく各家庭で犬を飼うという習慣ができ、家族並の扱いとなりました。この時期日本土着の犬が見直され、日本犬保存会が設立されました。


帝国の犬
(アーロン・スキャブランド『犬の帝国―幕末ニッポンから現在まで―』岩波書店)


 著者は、犬の純血種(血統)は、英国をはじめとした欧米諸国により、帝国主義、人種主義の影響下で盛んになったこと、欧米各国ともナショナリズムとも結びついたことを論じています。満州事変が勃発した昭和初期には、日本におけるナショナリズム、軍国主義が興隆、日本の犬であるハチ公は、犬でさえ恩義を忘れないとしてイデオロギー教育の一環として取り上げられました。犬の研究で現在も知られている平岩米吉は、当時、犬を利用して恩義を教える教育をすることに異議を唱え、ハチ公は愛情から旧飼い主を慕っていたのだと反論しました。現代のアメリカでもハチ公物語が映画になるのですから、ハチ公の話が忠孝、恩義より普遍的なものを持つのは確かでしょう。むしろ問題は、世の中全体がイデオロギー教育にはまってしまっていたことのような気がします。私たち飼い主は自分たちの経験から恩義でなく愛情により犬が慕ってくれているのを本当は知っているはずだからです。著者が犬を飼った経験がないということが、客観性については強みになっていますが、同時に弱みにもなっているようです。


日本犬のイメージの形成
(日本犬は、桜や富士と写真に撮られ日本のイメージが刷り込まれた。日本犬は日本人同様、優秀で勇猛とされた。現在でも日本犬は恐いというイメージを持つ人がいるのもそのためかもしれませんね)
 

 ハチ公がイデオロギー教育に使われたということは、今までも重ねて指摘されているので、私たちにとって特に目新しいことではありません。しかし、第1次大戦の経験から、各国で戦間期に多くの軍用犬が養成され、第2次大戦で大量に投入された事実は知られていません。しかも家庭で大人になるまで育てられた犬が、続々と軍隊に送られ、国民はそれを銃後の務めと捉えていたようです。日本からも兵士のように激励され戦地に旅立った犬が数多くいたようです。さらに戦況が厳しくなると、食料難、狂犬病、犬を飼うのは贅沢などの理由で国策として畜犬献納運動が盛んになる一方、犬を育て犬の特攻隊を作ろうなどの動きも出てきたことが紹介されています。戦争中数十万頭の犬が犠牲になったとしています。ある厚生省の職員は、雌犬の避妊とともに食犬を奨励したといいます。

 現状分析については、制度派経済学のウェブレンの顕示的消費の概念を用い、犬は伴侶としての要素と商品としての要素を持つものとして議論を展開しています。「流行のスタイル」形成にあたりCMや映画の効果を重視しています。しかし「犬は(中略)、定期的に運動が必要であり、そのことで飼い主が散歩という形で自分の持ち物を見せて歩く機会が生みだされる」とし、顕示的消費の例にあげていますが、実際このように考えて散歩している人は、多数派ではないでしょう。ペットショップの生体展示販売、捨て犬の増加など、犬が商品であることにより生じる問題は重要ですが、総じて現状については表面的な分析に留まっている感じがします。


顕示的消費
(顕示的消費のため、このようなレインコートや服を着せられている犬もよく見かける)


 しかし、本書は、犬好きの人、日本近代史に興味がある人にとって、多くのヒントを与えてくれることは間違いありません。私も血統にあまりにも拘る飼い主や顕示的消費をしているようにみえる飼い主はちょっと苦手です。

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亡き友から託されたこと

今回は悲しい話なので、苦手な方はパスして下さいね。

先日、私の高校時代の同級生が、小学校6年の息子さんとワンコを残して亡くなりました。見舞いに行ったとき、家族が揃っているのをみて、友人は家族に「犬の散歩は? 」と声をかけるほどワンコのことを気にしていました。ご家族は、いざとなったらアルルスさんに頼むと答えたところ、友人は安心したように「アルルス、宜しく」と言いました。

ワンコは友人が入院して以来下痢が続き、誰かが車で帰宅すると、友人も一緒に帰ってきたものと思って、寒い玄関で一匹で15分くらい待ちつづけるそうです。

友人は、小学生時代、mixの犬を飼っていました。当時の田園地帯では犬は放し飼いのところが多く、友人のワンコは、毎日小学校まで見送りについてきていました。ところが遠足の日、学校から出てきたバスを追いかけ、そのまま行方不明になってしまいました。数日後、交通事故の犠牲になったワンコが見つかったそうです。ワンコは友人がどこかに行ってしまうのではないかと考えたのかもしれません。友人はその後、ワンコを飼うことができませんでした。

その後、家族から説得されて久しぶりに飼ったのが、今のワンコです。今度は自分が先だってしまいました。人のペットロス同様、あるいはそれ以上にワンコにとって飼い主とのわかれは辛いのでしょう。友人にとっては息子さん同様、ワンコのことが気がかりだったのでしょう。

友人が病床から送ってきたワンコの写真です。枕元にもワンコの写真が置いてありました。

ワンコ

かわいいパピヨンです。このパビヨン君には残された家族から溢れんばかりの愛情を注がれ続けられるのは間違いありません。でも友人との約束ですから、このパビヨン君と散歩に行ってみるつもりです。おそらく友人は、私がお墓参りに行くより一緒に散歩に行くほうを喜んでくれるでしょう。ワンコを通して友人がこれからもまた何か語り続けてくれるような気がしています。冥福を祈ります。

晴れた日は、富士山と紅梅

2月の晴れた日には、南の丘陵へ富士山と梅を見に出発。20日土曜日は久しぶりに晴れました。レイは途中の里山で早くも全開です。


丘陵の笑顔


駆けまわったあとは、お約束のスリスリ。すっかり春の日差しです。


丘陵のスリスリ


目的地に着く前にレイは満足してしまったようです。

この日は、「関東の富士見百景」に選ばれたという公園に初遠征。3ヘクタールの公園をほぼ借り切りました。

紅白の梅がきれいに咲いていました。


紅白梅


肝心な富士山の写真も失敗しました。


富士見百景色


紅梅を前にしたレイの写真も失敗しました。それまで笑顔に見えたのですが、シャッターを押したとたん、アカンベーをしたのだと思います。耳も切れてしまいました。


切れた笑顔


失敗続きの遠征でしたが、途中の里山や田園地帯は早秋の日差しを浴びて本当に快適でした。公園そのものは期待外れだったのですが、往復の道筋はのどかで雰囲気がありました。また桜の咲く季節に遠征する予定です。

翌21日日曜日は、いつもの川沿いから古刹、里山に抜けるコースに梅を見に行きました。しかし考えてみれば、この古刹には梅はほとんどありませんでした。この日は計画自体が失敗です。

帰りの里山でやっとレイは満足しました。


緑地の早春


私が失敗しつつけても、レイは何事も成功にかえてくれるようです。2日とも2人で満足して帰途につきました。めでたし、めでたし。



冬と春のせめぎあい

2月14日は久しぶりに晴れました。上流に梅の咲きぐあいを見に行きました。前日の雪が草の上に残り、遠くの山は雪化粧をしています。


残雪


知らないうちにレイの顔に雪片がついているようです。レイは前日の午前中はみぞれのため1時間ほどしか散歩ができなかったため、最初から張りきっています。バンクーバーが雨で、レイ地方がみぞれというのも不思議です。

雪景色の中、梅が元気に咲きはじめていました。見ごろは来週末くらいからでしょうか。


早春の梅林


梅の木の近くで、ミニチュアシュナイザーとシーズーに会いました。シーズーちゃんはワンコが苦手なのだそうですが、レイを見て尻尾が振りつづけていました。飼主さんは、他のワンコと仲良くできたと喜んでいました。レイの子供っぽい動きもたまには役に立つようです。

飼主さんたちに柴犬なのにおとなしいですねといわれました。血液型で人の性格をきめてしまう人もいるようなので、柴犬が恐いと思い込んでいる人がいてもしょうがないかもしれません。恐い柴犬というのはめったにいないと思います。

川原では、コゲラやセグロセキレイが元気そうに飛びまわっていました。ヴァレンタインデイの時期は、鳥が愛をささやきはじめるということのようです。

雪を見て、梅を見ての帰り道、日差しが強く感じられました。


早春の日差し


草の上の雪もいつのまにか無くなっていました。冬が去り春が来るのももうすぐのようです。

箱入娘?

2月11日は、1日小雨。長距離散歩はあきらめ、ホームグランドの川原です。


雨の祝日


散歩しているワンコにもほとんど会いませんでした。冷たい雨にうたれて、この日はスリスリもしませんでした。寒い中にも春ももうすぐ。


雨の紅梅

梅も咲きはじめています。

最近のレイは、寝場所をソファーの上とクレートと使い分けています。


箱入り


歴代、我が家のワンコはソファーの上で寝ていたのですが、レイはクレートの中で寝るのも好きなようです。夜誰かがテレビを見ているとソファーを飛び降り、クレートに入ります。昼間も良くクレートの中で過ごしています。

箱入娘といいたいところなのですが、何となくカプセルホテルにいるように見えます。ホテルの大きな部屋のふかふかのベットで寝るより、カプセルホテルのほうが気が楽だという人もいるでしょう。レイがクレートに入るのは、寒いからか? テレビがうるさいからか? もしかしたら、アルの代から30年以上使っているソファーがボロボロになってしまったからかもしれません。次の誕生日にはソファーを買おうかと思っています。


2歳の誕生日

今日2月7日、レイはめでたく2歳の誕生日を迎えました。夏場の食欲不振以外、お腹を壊したのが1回だけと本当に元気に育ってくれました。一応誕生日プレゼントをあげました。レイは嬉しそうに見上げています。


2歳のプレゼント


物は、バーケンで売っていたコングとくじで当ったガムです。


はじめてのコング


小さいコングなので前足で隠れてしまいました。

でもレイにとって一番の贈り物はやっぱり散歩なのでしょう。この日も新しい里山を目指し張りきってでかけました。荒れた公園の隣に広がる里山です。風が強く寒い日でしたが、きれいに晴れあがったワンコにとっては絶好の散歩日和です。


新しい里山の景色


山道が尾根づたいにのびています。


新しい里山


山の中で、ポインターを連れた女性からビーフジャーキーを貰いました。レイにとってはじめての食べ物です。カリカリとは反応が違いました。


はじめてのジャーキー


ご機嫌になったところで、帰りの月夜峰で2歳はじめてのスリスリです。まだ少し雪が残っていました。


2歳初のスリスリ


この雪は2月2日に降ったものです。予報では10センチ程度積もるとのことだったのですが、実際は水気の多い雪が1センチくらい積もっただけでした。でも2年ぶりの積雪ということは、レイにとってはじめての雪です。朝、庭に出てみました。


はじめての雪


はじめて見る雪にちょっと戸惑っていますが、この後、庭を駆けまわりました。午前中の散歩でも川原に行き、跳ねまわったようです。2歳を前にしてはじめて雪の上を歩くことができました。地味ながら雪デビューです。

雪が降ると先代犬たちとの思い出が甦ります。はじめて雪をみたときに、ヒュー、ヒューとないたアル。足跡のついていない雪原を見ると、かならずこちらを嬉しそうに見上げました。最初の年だけ大喜びしたルー。自分がたてた雪片に何度も何度も飛びついてはじゃいでいました。

ワンコのかわいさとは、雪のように積み重なっていくのかもしれません。レイとの生活もまた1年積み重なりました。


里山の蝋梅

31日日曜日、里山の公園の蝋梅が見事との話を聞き、久しぶりにレイと出かけました。


蝋梅林

日差しが強く色がとんでしまいました。レイを座らせて記念写真を撮ろうとしたところ、このような行動をとりました。


蝋梅とコラボ


花よりシッコでしょうか。


里山公園で


山道ではご機嫌な顔をしています。レイにとっては、花より山道なのでしょう。

30日土曜日は、前週、途中で迷った里山に懲りずに出かけました。今度は道が見つかりました。レイは枯葉の上を走りまわっていいのか振りかえっています。


新しい里山


尾根づたいの道もありました。


新しい山道


帰りは、例の高速道路の観測点の丘を通ります。


月夜峰にて


この丘は昔、月夜峰と呼ばれていたそうです。近くの城に住む殿様が、ここで月見をしたという話が残っています。月夜峰からは今でも四方が見渡せます。


月夜峰からの眺め


ここで月見をした殿様は、その後戦いに敗れて切腹しました。どこにもあるような里山にもいろいろな歴史があるようです。里山から月夜峰とまた新たな散歩コースができました。健脚のレイのお陰で、地元のことに大分詳しくなってきました。

地元といえば、先月職場の近くに和んこ堂が出店していました。ナナコちゃんのブログを見て、欲しいものがたくさんあったので、仕事を抜け出して買い込んで来ました。


わんこ堂ハンドタオル


我が家にも大分柴犬グッズがたまってきました。ただ、レイの誕生日に何をあげるかが未解決です。


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アルルス

Author:アルルス
レイは2008年2月7日生まれの5姉妹の長女?です。
今のところ社交的、外出大好きですが、意外と慎重なところがあります。

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